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ミドリムシの増やし方と油を抽出する方法

SDGs

最近、ミドリムシ(ユーグレナ)を使ったバイオ燃料が注目されてます。すでにバスや車、飛行機などにも使用されているようですね。

どうやって、油を抽出しているのか気になるところですが、調べても、なんかよくわかりません。

分からないなりに調べてみたので、以下にまとめていきます。

ミドリムシとは

ミドリムシとは和名で、微細藻類ユーグレナが学名です。大きさは、50umで、動物と植物の中間に位置するようです。成分としては、植物油に含まれている不飽和脂肪酸の他にビタミン、アミノ酸、ミネラル、パラミロンなどの元気成分が含まれています。パラミロンは、インフルエンザウイルスの抑制もできるようです。

ミドリムシが植物っぽいと言われるのが、光合成ができるからです。光合成の素である葉緑体(クロロフィル)を有しています。炭素源であるCO2や無機炭酸塩、酢酸(有機酸)と光があれば、生きて増殖します。また、光がなくても動物っぽく餌を食べて生きれます。ブトウ糖、酢酸などの有機物があれば生きることができます。光合成をしなくなったミドリムシは、葉緑体が退化して透明になりますが、餌がなくなれば、光と炭素源で葉緑体は復活します。

ミドリムシが好きな光は、520nm~620nmの波長の光で、密度あたりの最適な光量もあるようです。光を当てすぎるとミドリムシ内の一重項酸素量が増加して悪影響のようです。一重項酸素はりん光(1270nmの発光)としてがん治療とかにも使われています。それぐらいダメージ力があるということです。

詳しくは、以下のサイトを参照してください。

参考①:藻ディア

参考②:石垣島ユーグレナ

参考③:ユーグレナのニュース

ミドリムシの増やし方の条件

リアルタイムで大量生産しながら、ミドリムシを増やしていくには無理があります。何回も培養して、いい感じにデータを集めていく必要があります。例えば、ミドリムシの密度です。ミドリムシの密度あたりの最適の光量を見つける必要があります。ミドリムシの密度の測定は、光を当てて、どのくらい減衰したか測定する吸光度測定とか、画像認識で数えたり、コールター原理を用いて数を数える方法があります。光量の最適化には一重項酸素量を測定すればよいので、1270nmの発光スペクトルを測定する分校測定やSOSG(Singlet Oxygen Sensor Green)で一重項酸素とSOSGを反応させて特定の発光スペクトルを見る方法で一重項酸素量を見て、「このミドリムシ密度の時は、この光量が最適だな」という条件を見つけ出しておく必要があります。あとは、炭素源として溶解CO2濃度とか温度とか色々な条件をラボの段階で見つけて、ノウハウとして持っておきます。

多分、初期段階では、ミドリムシを増やすためにエサと与えてある程度増やして、そこから溶解CO2と光量調整で倍々で増やしていくのではないでしょうか?

また、株式会社ユーグレナは、重イオンビームを照射してユーグレナ変異体を選抜しています。これにより油を多く含んだ、ユーグレナ変異体を増殖させていると考えられます。

参考:ミドリムシ原料、油脂量アップ40%

ミドリムシ油の製造工程

上記の図のような工程を予想します。

最初にミドリムシを赤子のように大切に育てて、ある程度数が増えてきたら、純水とかの栄養がない液体と混ぜて、フォトバイオリアクターで光と炭素源(CO2)を調節して増殖させ、ある程度増殖したら、UF膜というミドリムシと液を分けるほどの細かいフィルターで培養液とミドリムシに分けるのではないでしょうか。

その後、遠心分離機で固液分離してミドリムシを乾燥熱風とかで乾燥させ、抽出工程でフィルタープレスにかけて押し潰し、残渣は肥料になるのではないでしょうか。また、分泌液を希釈してミドリムシの内部にある栄養たっぷりのビタミンやミネラルは、ヘルスケア商品に利用される事が考えられます。この時、分泌液と希釈液の混合から油と水溶液に分けて、油は植物油として、普通に廃油から燃料を作るバイオディーゼルと同じように、燃料にするのではないでしょうか。その後、バイオディーゼル燃料に残っている不純物を取り除いて、バイオ燃料としている事が考えられます。

※あくまで、個人の妄想です。

フォトバイオリアクターとは

フォトバイオリアクターは、ミドリムシを増殖させるための装置です。開放型から密閉型まであり、他の微生物の侵入を防ぐために密閉型がいいのではないでしょうか?

フォトバイオリアクターは、ミドリムシに均一に光を当てるための構造になっており、透明な塩ビパイプやガラス管が画像検索すると出てくると思います。

上記で述べたようにミドリムシを増やせるように、溶解CO2添加量の制御や、ミドリムシの密度ごとの単一波長の光量の制御を行う設備です。先にラボ試験でミドリムシごとの最適光量や温度、CO2濃度を条件だししておいて、フォトバイオリアクターで何らかの方法で密度測定を行い、自動制御していると考えられます。

透明パイプなので、ずっと使っていると、藻が生えてきてパイプが汚くなっていくのが予想されます。定期的に洗浄工程を挟むのか、アクアリウムのヤマトヌマエビとか石巻貝とかキレイにするのか、超音波で洗浄するのかしなければいけないと思います。

また、日ごろ、これ自体の制御や計器やポンプの管理できるエンジニアが必要です。色々調べてみると面白そうですね。

課題になっているであろう所の予想

意外と、油とそれ以外の分離工程とか、バイオディーゼル化で苦労してるかもしれませんね。純度の高い油を得るには、それなりの手間がいります。バイオディーゼルは、植物油みたいに着色成分が多く含まれており、薄い茶色になります。これらは、低温で粘度が高くなったり、エンジンの噴射穴の詰まりや燃焼効率の悪さの原因になってます。ガソリンとかって透明ですよね?バイオディーゼルの着色成分があると燃焼効率が悪いから、燃やすと黒い煙がでて、煤になって、詰まりの原因とかにもなります。現状、バイオディーゼルの精製は、蒸留するしか手立てはありません。ここの工程が、効率化できればいいですよね。

そもそも、ミドリムシから得られる油の量が少ないのかもしれません。例えば、日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントと『GREEN OIL JAPAN』宣言で、横浜に実証プラントがありますが、広大な面積で日産5バレルしか製造できないようです。ミドリムシのリッター当たりの抽出量は、かなり少ないのかもしれません。ユーグレナ変異体でもっと油を多く含んだやつができるといいですね。

所感

まだ、発展途上ですが、エコロジー的には最高の技術です。二酸化炭素から油を作るわけですから。コスパが悪くても将来必ず必要とされ、投資されるべき技術です。ユーグレナ社が情報公開してないところが気になりますが。(飛行機のライト兄弟みたいに技術を盗まれないよう特許で守ってほしい。)

→すみません、改めて調査したら普通に特許公開されていました!

しかし、現在は単価が高すぎます。この技術調べていて思ったのですが、油を得るために高温にしたり、半導体製造や洗浄のような超純水、クリーンルームとかもいらないので、手法さえ一般化すれば、製造の初期投資は比較的楽だと思います。大面積化して、単価を抑えれば、採算が合いそうです。

現在は、ミドリムシから油を得るには量が少なくて、色んなところから廃油を貰って混ぜているようですから、利権団体に負けないよう頑張ってほしいです。

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