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水質汚濁防止法の違反例を紹介します。届け出が必要な条件がわかっていますか?

水質汚濁法の目的

第一条 この法律は、工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、生活排水対策の実施を推進すること等によつて、公共用水域及び地下水の水質の汚濁(水質以外の水の状態が悪化することを含む。以下同じ。)の防止を図り、もつて国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに工場及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする。

昭和四十五年法律第百三十八号 水質汚濁防止法 第一章 総則

上記のように、水質汚濁防止法(略:水濁法)の目的は、「公共用水域及び地下水の水質汚濁を防止するため」です。人の健康にかかわる被害がある、ないにかかわらず、環境省の排水基準を定める省令や各都道県の排水基準を定める条例を違反してたら、その会社と責任者が訴えられます。違反してたら、即時適用できる直罰であり、法人と個人が罰せられる両罰でもあるので、水質汚濁防止法違反は、結構重い罪です。

公害防止制度である、水質汚濁防止法や大気汚染防止法は、直罰規定があります。

水質汚濁防止法対象の施設や工場

水濁法対象の対象施設や工場は、「特定施設」と呼ばれおり、かなり広範囲を指定しています。

上の表は、水濁法にて指定されている特定施設の一部で、全部で七十四まであり、施設や工場関連はほぼすべて対象と言っていいくらいです。

詳しくは、「水質汚濁防止法施行令 第1条 別表第1」 に記載されています。

特定施設設置前の届け出が必要な施設

これから、特定施設を新設&設置します。という方は、下記に記載する対象に当てはまっているのなら、漏れなく設置場所の都道府県知事に届け出が必要です。新設するときは、工事着工日の60日前までに設置届出をださなければいけません。必要なのに届け出してなかった場合、3カ月以下の懲役または30万以下の罰金になります。会社に懲役は無理なので、30万以下の罰金になります。そして、責任者は懲役で執行猶予が与えられるか罰金になります。

・排水場所

特定施設の敷地内での下水(汚水、生活排水)や工業用の廃水、雨水の排水が、公共用水域 or  分流式下水道 or 地下浸透 などのルートで自然界に漏れ出る場合は、水質汚濁防止法の第5条1項に該当し、該当の項目が記載された届出が必要です。各都道府県で申請用紙があります。

 ※公共用水域とは

河川、湖沼、港湾、沿岸海域その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠、かんがい用水路その他公共の用に供される水路

水質汚濁防止法 第2条

公共溝渠は、一般的に水路と呼称されている全般がこれにあたると思ってます。

 ※分流式下水道とは

雨水配管と下水配管が分かれており、下水配管は、下水処理場を通るのに対して、雨水配管は、河川に流れていきます。これとは逆に雨水も汚水配管に流すことを合流式下水道といいますが、下水処理場の負荷を下げるために分流式で整備する事が、優先されてます。設置場所が合流式下水道区域か分流式下水道区域か調べる必要があります。

・一般排水基準

特定施設の設置場所が合流式下水道でした。という場合でも環境省の定める一般排水基準にかかれている有害物質を使用したり、貯蔵タンク、排液タンクに貯めたりして、地下浸透していく恐れがある場合は、水質汚濁防止法の第5条の2項もしくは3項に該当し、届け出が必要です。この場合は、許容限度(濃度)にかかわらず、規制の対象となります。有害物質が固形物で保管されていたり、漏れても常圧で気体になる場合などが地下浸透しないという判断になるようです。

環境省 一般排水基準 リンク先

特定施設設置での守るべき一般排水基準

特定施設を設置するときは、下記の項目を地下浸水したり、河川に流さないように徹底しなければいけません。

 ・一般排水基準の基準値を超える有害物質

 ・一般排水基準の基準値を超える生活項目(その他項目)を1日50m3以上

規制エリアとしては、下図のように特定施設を有する工場の事務所なども含まれます。

また、下水に流していいのかと言えば、それもダメです。下水排除基準というものがあり、下水処理場で処理できなかったり、機能を保全するために、下水への排水も規制があります。下水排除基準の各項目は、一般排水基準に似ています。

届け出を受理した都道府県知事は、排水対策が不十分だと判断した場合、構造や汚水処理の計画変更を命令できます。

都道府県知事は、届出に係る特定事業場の排出水の汚染状態が排水基準(府令で定めるものおよび上乗せ排水基準)に適合しないと認めるときは、届出受理の日から六〇日以内に限り、届出に係る特定施設の構造もしくは使用の方法または汚水等の処理の方法に関する計画の変更、または特定施設の設置計画の廃止を命ずることができる(法第八条)。

水質汚濁防止法の施工について 公布日:昭和46年7月31日 環水管12号

一般排水基準を違反してしまった場合、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

裁判例

事件番号: 平成31(わ)175事件名

 事件名:水質汚濁防止法違反

裁判年月日: 令和元年5月8日

裁判所名・部: 名古屋地方裁判所  刑事第4部

主 文:被告人株式会社Aを罰金50万円に,被告人Bを懲役6か月に処する。被告人Bに対し,この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。

理由(一部抜粋):同工場の排水口から,省令で定める排水基準(水素イオン濃度〔水素指数〕は5.0以上9.0以下,窒素含有量は1リットルにつき120ミリグラム)及び条例で定める排水基準(化学的酸素要求量は1リットルにつき25ミリグラム,浮遊物質量は1リットルにつき30ミリグラム,ノルマルヘキサン抽出物質含有量〔動植物油脂類〕)は1リットルにつき10ミリグラム)を超える排出水を前記名古屋港に排出し,もってその汚染状態が排水基準に適合しない排出水を排出した。

まとめ

・工場や施設を新設する場合、基本的に設置の届け出は必要。

・着工の60日前までに設置届け出が必要。

・有害物質等が地下や河川、下水に流れないよう運用も含め排水処理設備を設計。

・追記

記事の流れ的に説明を省いた部分について。

法改正によって、届け出が必要になる特定施設があります。例えば、下記リンク先のような温泉施設などが、ホウ素とフッ素の基準値が改正され、対象となったようです。ある一定期間、暫定排水基準が設けられ、その間に基準値内に収めるための排水処理設備の導入を検討しているようですが、コストが高く難しいため、問題になっています。

日本温泉協会 温泉名人 「水質汚濁法に定める有害物質の排水基準について」

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