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井戸水を生活用水として使用する前にやっておきたいこと

井戸水を生活用水として使用する前に

田舎暮らしに憧れて、よい中古物件を見つけたが、水道水じゃなくて井戸水だった。水道管を家にひっぱるのにもお金がかかるし、井戸水を生活用水として使っていいか悩んでいませんか?

もしくは、中古物件を購入したら、水道水じゃなくて井戸水だったという方や、もともと井戸水や山から流れる水で生活しているが、どうも水が原因で体調がすぐれない方、家に水道がなくて、水道工事がしたいけど近くに水道管がなくて困っている方。。。

家の庭に井戸を掘って使えば、水道代がかからないからやってみたいなんて人もいると思います。

そういった方々のために、この記事では、用途や金銭面や安全面から様々な提案をしていこうと思います。

井戸水の初期費用と利用料

井戸水

まず、井戸水を使いたいのならば、当然ですが井戸を掘る必要があります。

ご家庭でやる場合は、10mほど掘る浅井戸だと思われます。業者に頼んで、井戸を掘って、水を汲み上げるポンプを設置して40万円ぐらいかかります。

水をくみ上げる事が出来れば、水の使用量はもちろんタダです。ですが、井戸水を利用するための設備の修理や消耗品の交換などにお金がかかります。

水道水

水道管を引き込むのにはどのくらいお金がかかるでしょうか?

水道を使いたいときは、市の運営する水道局などに給水申込納付金を支払います。水道管20mmの口径で、だいたい20万円ぐらいです。さらに水道管を敷設するのに、1mで1.5万円ぐらいかかります。

また、水道を使用した分だけ料金がかかります。水道代は、基本料金と月々の水使用量で1カ月1400円ぐらいでしょうか。

井戸水を生活用水にする前に

井戸水を一般的に使用していた世代では、ピロリ菌感染者が多かったと言われています。私の知り合いにも井戸水を引用していてピロリ菌に感染している人がいます。

環境省が報告している地下水汚染状況では、重金属や硝酸・亜硝酸態窒素の濃度が基準を超えた場所が年々増えているようです。

地下水汚染事例に関する実態調査の結果について 令和2年

重金属等では、砒素、ホウ素、フッ素が増えており、自然的要因が主のようでした。砒素に関しては、黄鉄鋼が掘り返されて、大気で酸化して溶出している可能性があるようなので、それだと人的要因になりそうです。酸性鉱山廃水として問題視されています。

自然由来のヒ素が土壌に蓄積する仕組みを解明

一方、硝酸・亜硝酸態窒素は、農業での肥料の与えすぎや、除草剤の散布によって雑草がなくなることにより、窒素が雑草に吸収されずに土壌中に蓄積することによる影響が大きいです。

いずれにせよ、井戸水は、そのまま生活排水として使用する前に、水質分析をしてください。

水道水の水質基準として51項目ありますが、井戸水も同様の方法で水質分析することができます。

下記の資料に、水質基準の検査項目ごとの説明が書かれてます。

水質基準項目51項目

なんと、この51項目すべて検査しようとすると、20万円ぐらいかかります!ですが、飲用で利用したいのなら、一度確認しておきたいです。

簡易的な検査なら各地域にある保健所でもしてくれます。1万円で11~13項目検査してくれます。これで基準値内だから大丈夫というわけではないですが、最低限の安全性を知ることができます。

さらに、自分で検査する方法もあります。

こちらの検査キットは1650円で、pH・鉄(低濃度)・全硬度・COD・亜硝酸がわかります。全硬度は、カルシウム、マグネシウムの合計硬度がわかります。CODとは、化学的酸素要求量と呼ばれる有機物量の指標として使われます。水質基準の項目としては、全有機炭素TOCに関係してくる値で、3mg/L以下となっていますが、パックテストでは0(検出なし)がいいです。下記のリンク先のように、CODでは検出されない有機物や有機物以外のものが検出されるからです。

水の有機物指標の概要

また、これらの簡易的な測定では、重金属等は測定できません。以下のようなパックテストがありますが、高価ですので、ここまでの事をするなら、分析を外注して51項目全部検査してもらった方がよいでしょう。

個人的には、井戸水を生活用水・飲用を目的とする場合、食器洗いやお風呂の水に使う場合は、51項目検査はすべきだと考えます。

飲み水としては使わないけど、トイレの流し水、洗濯機の水、洗車などなどで使う場合は、ほとんど口に入らないだろうということで、保健所での検査やパックテストでいいと思います。

水質検査で問題なかった場合

井戸水の水質検査を行ったが問題なかったという場合でも注意が必要です。

地下水の水質は、季節によって変動することが多いです。例えば、近くに農作地帯が多かったり、ゴルフ場があると、肥料や除草剤を使ったりは、シーズンごとにあるはずなので、それが地下水に浸透して、水質が悪化したりします。

ですので、フィルター処理と活性炭処理はしておいた方がいいと思います。

活性炭は、残留塩素や揮発性有機物、カビ臭などを取り除いてくれます。以下の記事でも解説しています。

糸巻フィルターは、1umの隙間になっているので、大腸菌などの細菌を防ぐことができます。ただ、1umの糸巻フィルターだから、1um以上のものは全部防ぐかといったらそうではなくて、大きい物質ほど、カット率が徐々に良くなっていくという感じです。もっとしっかり除去したいなら、プリーツフィルターというのがありますが、高価です。

この250L×1um サイズで25L/minは、水を流すことができます。水の水質、一日の使用量によりますが、大体2カ月に1回交換するのが目安です。

水質検査で問題があった場合

水質検査をしてみて問題があった場合は、水処理設備導入のために費用がかかります。活性炭入りのカートリッジを使用し、定期的に逆洗したり、活性炭の中身を交換しなくてはいけません。また、鉄やマンガンがでてきたら、それを除去する装置、イオン成分を取り除く必要が出てきたら、膜ろ過システムを使わなくてはいけないため、500万円以上はかかるでしょう。

工場やショッピングモール、事業所など大量に水を使わなければいけない場合に地下水を汲み上げて、水処理することはありますが、一般家庭ではお金かかるし管理が手間なので、やらない方がいいです。

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