ウンガー社のスポットレスカーウォッシュという洗車用の純水器の記事を以前に投稿しました。この記事では、純水を作る原理や純水を作れる量、保管方法について記事にしています。
今回は、ウンガー純水器でより多く純水を作る方法を調査したので紹介していきます。
【前回書いた記事】↓
1.RO浄水器で前処理をする
前回の記事でも解説したように、純水器の中にはイオン交換樹脂が入っています。これが、水道水中のシリカ、カルシウム、マグネシウムなどのイオン成分を吸着して、代わりに水素イオンと水酸化イオンを吐き出すので、純水を作ります。
そのために、作り出せる純水の量は、水道水のキレイさに依存するということです。
オススメは、活性炭に通して、水道水中の残留塩素や有機物成分を取り除いた後、RO浄水器でイオン分を取り除くことです。
・活性炭に通すだけではダメな理由
活性炭は、水道水の残留塩素や有機物質などを吸着することができます。イオン交換樹脂に通す前に活性炭を入れれば効果があるように思えますが、実際はそこまで効果はありません。なぜなら、水道水中に含まれるイオン成分は、そのまま活性炭を素通りしていくからです。導電率を測定すると、イオン成分の量がわかりますが、あまり変化しません。
・RO浄水器を使用するとよい
下記の記事で、逆浸透膜(RO膜)について解説しているので、詳細はこちらをご覧ください。RO膜を透過した水は、イオン成分を除去されますので、この水をウンガー純水器に通すとイオン交換樹脂の交換頻度をかなり抑えることができます。ただ、イオン成分を濃縮した水が発生してしまうので、濃縮水を排水するのがもったいないです。
そして、このRO膜は、水道水の残留塩素に弱く、膜の成分が壊れてしまいます。RO膜を長く使用する方法として、水道水の残留塩素を除去できる活性炭を使用するということです。
上記のような水道水ホースで繋げるだけのタイプがいいでしょう。内径が14mmのホース(多分13mmでもいける)を差し込むだけで使用できます。これは、1umという細かい目のフィルターと活性炭フィルターを直結してあります。水道水の流れ方向は、1umのフィルターである程度の大きさの有機物や夾雑物をキャッチした後、活性炭フィルターに通して、もっと小さな残渣や残留塩素を吸着させるので、”糸巻フィルタ→活性炭フィルター”になります。ただ、活性炭フィルター→糸巻フィルターという流れでも、漏れてくる活性炭を捕集できますので、考え方次第です。だいたい壁とかに引っかけて使用しますが、構造上、地面に寝かせて使っても問題ありません。価格にして8500円です。
使用してると詰まってくるので、出なくなってきたら交換してください。中身のフィルター交換は、ボディの部分を半時計に回して取り出すだけです。1umフィルターと活性炭フィルター合わせて3000円ほどになります。
寿命としては、おおよそになりますが、水道水を12時間流しっぱなしで2か月ほど持つ感じになると思われます。経験的には、半年~1年使っても大丈夫だったりします。ただ、すでに活性炭としての機能がなくなってたりします。※あくまで目安です。
ちなみに、同じような形をしたイオン交換フィルターというのもありますが、市場でのイオン交換樹脂の単価はだいたい一緒なので、容量が多い上にイオン交換樹脂だけ交換できるウンガー純水器の方がいいと思います。
RO膜浄水器は、下記の逆浸透膜キットを購入するのが安価でいいです。RO膜と膜を装填するためのハウジング、チューブ関係が付いてきます。100GPDの透過水が採水できます。透過水の流量を増やすためには、濃縮水側に流れる水量を減らす必要がありますが、チューブを手で潰したり、コックを別途購入されてもいいかもですね。
GPDはガロン・パー・デイで、1日にどれくらい採水できるかを表しています。100GPDだと1時間に15.8Lの透過水が採水できますね。
交換サイクルは15カ月が推奨のようです。透過水の水量が減ってきたり、TDSメーターで測定して、悪くなってきたら交換すればいいです。
このRO浄水器を使うと、イオン交換樹脂の交換頻度を少なくできます。推定だと、10倍ぐらい長く使用できます。
ただ、RO浄水器の水量がもともと少ないので、そのまま、ウンガー純水器に直結して使用するのは難しいです。一度、大きめのバケツに貯水してから、小型のポンプでウンガー純水器に送水する形になります。
面倒だなと感じるかもしれませんが、ウンガー純水器のイオン交換樹脂の交換フィルターが2個セットで1万円ぐらいするので、長く使いたいなら、この方法がおすすめです。下記の記事に実際に使用してレビューを書いています。
2.節水する
洗車するときに、洗浄液・カーシャンプーを泡立てて、スポンジ等でゴシゴシすると思いますが、泡を流したりするのは、水道水で構いません。純水だと良く泡立ちますが、ここで純水を使ってもあまり意味はなく、寿命が減るだけです。最後の洗い流し、仕上げのとき使用して、ウォータースポットが出来ないようにすればいいだけなので。
また、ホースからそのまま出すと無駄な水が多くなるので、シャワーヘッドなどを付けて、節水するのもいいと思います。
3.軟水用樹脂を使う
ウォータースポットは、硬度成分による影響が大きいので、カルシウムイオンやマグネシウムイオンを取り除けば、ある程度軽減することができます。
下記の商品は、イオン交換樹脂のカチオン樹脂と呼ばれるもので、ウンガー純水器の中に入っているイオン交換樹脂のカチオンだけということになります。また、水素イオンではなく、ナトリウムイオンがくっ付いているので、なんと塩水に通してあげると再生します。
ただ、TDSや導電率といった部分では、増加します。また、シリカのコロイドやイオン成分を吸着できないので、シリカスケールが出来てしまいます。
ある程度軽減できればよいという方は、安価なのでこちらがいいでしょう。ウンガー純水器のイオン交換樹脂をこれに詰め替えれば使えます。
おまけ. イオン交換樹脂をより安価に仕入れているメーカーの紹介
ウンガー純水器を使用していくと、しだいにイオン交換能力が消耗していきますので、中身を交換する必要があります。正規品から購入しようと思うと、ちょっと高いです。
こちらの商品は、フィルター2個で10479円です。梱包重量が4.12kgと記載してあり、だいたいフィルター1個の容量が3~4Lぐらいと思いますので、この梱包重量は、フィルター2個分ということでしょう。
ちなみに、イオン交換樹脂の見かけ密度は、約0.7kg/Lです。樹脂の水分率や交換基によって膨張、収縮するので、あくまで目安です。
したがって、正規品は、イオン交換樹脂1kgにつき2543円になります。
一方、日本で一般消費者向けにイオン交換樹脂を販売してるメーカーは、下のような商品を出しています。
こちらは、5L×2袋で9950円、商品重量が7kgです。
イオン交換樹脂1kgにつき1421円になります。
安くても、イオン交換樹脂がすぐに消耗してしまっては意味がないと思われるかもしれません。
私も実際に比べた事はないので、何とも言えないですが、標準的な純水用イオン交換樹脂は、製造場所で性能に違いが出ないぐらいには、一般化されているので、同じような性能だと思います。また、どちらも中国で生産されているようですので、価格の違いは、販売経路や利益率の違いでしょう。
下記に他の洗車用純水器も紹介しています。日本国内メーカーで安価です。
参考になれば幸いです。
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