タイトルには設備エンジニアと書いていますが、ひとえに設備エンジニアといっても、業務内容は幅広く、装置設計、施工管理、保全、メンテナンス業務などやりますよね。分野も様々で化学プラントや商業施設向けなど、何でもやるって感じです。おおよそ会社では機械器具設置工事の建設業許可を取得していると思います。
化学系の機械器具設置工事をやっている設備エンジニアは、主に以下のような事をしています。
・管工事、電気工事の施工管理
・化学工学や電気計装・制御の知識を使った設計
・設備部品が壊れた時や手直しをする時は、工事業者の職人さんのように配管施工や電気工事
基本的には、化学工学の本や、ポンプ、配管について解説してあるようなプラントエンジニア向けの書籍が参考になると思います。化学工学の本に関しては、他の方の記事で紹介されていることが多いので、そちらを参考にされてください。というか、この記事を読まれている方はすでに持っていらっしゃる方が多いのでは?
実際の業務では、参考書に書いてあるような計算式を用いる事ってあんまりなくて、メーカーからもらえる仕様書や取扱説明書を読み込んだ方が断然役に立つ上に、実際に現場にでて色々な工事を経験して学んでいくしかないでしょう。
ただ今回は、設備エンジニアとして個人的に面白くて、買ってよかった本を紹介していこうと思います。
施工管理のオススメ
【施工がわかる イラスト建築生産入門】
施工管理とはどういう仕事か、その仕事の流れを、ビルの建設を一例にイラストをふんだんに使って説明されています。
ここで面白いのは、業者がどういう仕事をしているのか俯瞰してわかることです。
イラストで彼らの普段やっている仕事をイメージできるので、実際に設備設置工事で業者と打合せしたり、仕事をお願いする時も、
「この辺は、こっちで決めてあげないとわからないだろうな。」
とか、
「この辺は普段やってて得意だろうから逆に下手に指示せず、お任せしよう。」
とかのさじ加減がわかります。
また、他の工事が行われている中での機械設置などでも、何をやってるかが大体わかるので、こちらのやるべき事がわかるようになります。
設備エンジニアが全体のプラントの施工管理をすることがないので、このような本から見て学ぶのをオススメします!
計装関連のオススメ
【メーカーの技術者が書いた やさしく計装がわかる 「工業計測と制御の基礎」】
設備には、圧力計、流量計、温度計など、様々な計装機器を取り付けて、運転を制御したり、異常が起きた時に装置が停止するよう監視させたりします。メーカーが計器をたくさんそろえていますが、測定原理を理解して、最適な計器を選定したり、スペックや仕様書を理解して、細かいオプションを指定するのは、エンジニアの役割です。しかし、計装や制御について書かれている本はあまり多くありません。計装について体系的に学ぶならこの本がオススメです。
もっと詳しく知りたいなら、計装マニュアル(プラント編)とかありますが、分厚くて高価なので、会社の経費で購入して読んだ方がいいと思います。
化学関連のオススメ
サイエンスビュー 化学総合資料
化学に関する本は、この本がかなりおすすめです。安いし、写真付きで分かりやすいです。高校の化学とかでも購入するんですかね?自分は、化学あんまり得意ではなかったので、写真多めの図鑑みたいな本が欲しいと思って、購入しました。今でも、よく分からない原理や定理、反応式がでてきたら、この本を読んでいます。
あとは、普段の私生活に紛れ込んでいる化学に注意して気になった事を図鑑みたい調べてみるのもオススメです。洗濯洗剤、水垢、不凍液、アドブルー、油など。他にも材質についても書いてあるし、いちいち気にして調べていくだけで、化学工学に応用できます。
これは余談ですが、設備エンジニアは、ホームセンターに置いてあるものに詳しくなる必要がありますね。防錆潤滑材、錆止めスプレー、塗装液、コーキング、モルタル、接着剤など。使い方は、現場での仕事を通じて学んでいけばいいですが、作り方は、自分で調べなくてはいけません。色々文献などを調べていると、内容を理解するために化学の教科書が必要になります。
なぜ、作り方を知っておくのがいいのか?それは、設備エンジニアは、技術営業としての側面もあるからです。自分の設備を売り込む業界について知っておくのもいいですよ。
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